代表挨拶

代表挨拶

はじめまして。代表の杉井です。暫し私の戯言にお付き合い頂けたら幸いです。

大工一筋の父と家族。

私の父は、かれこれ10年程前に他界しましたが、10代の頃から大工一筋の人でした。
絵に描いたようなコテコテの職人で口数少なく、人付き合いも苦手、毎晩酒を呑むのだけが唯一の楽しみ、といったような父でした。
私が生まれる前には独立して工務店を経営していたと聞きましたが、前述のような人ですので俗にいう「腕は良いんだけど経営の才覚が・・・」的な事なのでしょう(あの世の父に叱られそうですが・・・)
あえなく倒産の憂き目に合い、以降は横須賀に移り住み雇われ大工さんとして長きに亘って家族を養ってくれました。私が産まれたのも横須賀に来てからです。
私は5人兄姉!で一番上の姉以外は全て男兄弟、私は末っ子で裕福というには程遠い(つまり貧しかった・・・)生活でしたが、それでも人生を振り返ると狭い家に家族7人で暮らした子供の頃が、とても幸せで尊い時代だったとしみじみ感じています。

父や母の苦労を見て育ったせいか、誰一人大工はおろか職人の道に進む子供はいませんでした。
そんな職人気質の親父でしたから、子供の頃に遊んでもらった記憶もなく、まともに会話をした記憶もありません。それでも時折買い物に連れて行ってくれては小遣いをくれたり、欲しい物を買ってくれたり、亡くなってからそんな不器用な優しさを思い出します。(ちなみにそんな父は飼っていたセキセイインコのピーちゃんをメロメロに愛でていました。笑)
5人の子供達は、誰一人として名を成した者はいませんが、人様に迷惑を掛けるような生き方もせず、それぞれきちんと独立し、家族を持ち孫にも恵まれている今、育ててくれた両親には感謝と尊敬の念を感じています。
私自身は若い頃、幼さ愚かさ甚だしく、親にはたくさん迷惑を掛けましたが、約20年前に母を、そして父を亡くして以降は、この両親に恥じない生き方をしよう、この両親を誇れる生き方をしよう、と思うようになりました。約13年ほど前に起業し周囲の人や運にも恵まれ今に至っています。

職人の世界へ、そして独立。

当初は、前の職場から独立する形で建築の設備に関わる仕事で開業したのですが、100%下請ですし、お施主さんの距離があまりにも遠い・・・(つまりお客様の喜ぶ姿はほぼ感じられない・・・)
そんな中いろいろな巡りあわせと、やはり根本には父の携わっていた仕事に近い仕事がしたい!
という思いが徐々に強くなっていきました。とはいえ、歳も歳でしたので今更修行して大工に・・・というのもさすがに無理があるので、そんな頃に「こんな技術、職業があるのか!」と驚きを感じた住宅のリペア事業や、日本の木造住宅の実情を知るにつれて「本当に良い家造りにこれは最適では」と思えた自然素材によるセルロースファイバー断熱等を始めるに至りました。
しかし・・・そういった事業を通して日本の木造住宅の実情を知れば知るほど、多くの問題点を感じるようになりました。

例えば、世の中に住宅を建てたり販売する会社は星の数ほどありますが、果たしてその中でどれ程の会社が本気でお客様(お施主様)を想って家を建てているのだろうか・・・
木造の住宅に関わる仕事をする中で様々な事を学んできたつもりですが、学べば学ぶほど現在の、特に新築の木造住宅の販売業界が抱える問題が視えてきた気がしました。
ハウスメーカーなどの大きな会社になれば、一人の担当者(監督)が受け持つ物件は年間に数十棟になります。
当然といえば当然かもしれませんが、一つの家に対する思い入れを強く持ってほしいという方が無理かもしれません。こなす事で精一杯・・・それが現実だと思います。
しかしながら、お施主様にとっては当然のことながらかけがいのないマイホーム、ほとんどの方は生涯を通してのマイホームのつもりで購入することでしょう。
その“思い入れ”の格差!に致し方ない面を感じながらもショックを受けました。

一生に一度の『マイホーム』をお施主様と同じ気持ちで!

もちろん中には一棟一棟に真心こめて対応されている監督さんもいることでしょう。
ですが、やはり現実的に多くの監督さんは“流動的に仕事をこなす”ような感覚になりがちなのは無理もなく、お客様の“一生に一度のマイホーム!”という意識とはあまりにも大きなギャップができてしまうのです。
一方、地域に根付く地場の工務店さんにしても、専門家として一般のお客様に伝えるべく本当に大切な情報をどれだけ伝える努力をしているのだろうか・・・と疑問に思わざるを得ませんでした。必要な情報提供をせずに、ただ価格を安くすることがお客様のためでありお客様が求めている事、そんな風に考えてしまっている工務店さんが多い事を感じてきました。
(これまでの弊社が提供する業務のお客様でもあった工務店さんなのですが・・・)

一軒一軒に情熱と愛情を持って取り組みます。

そういった状況に非常に大きな違和感を感じてきました。もちろん家を建てよう・家を購入しようと考える人も十人十色です。購入する方の年齢層も家族構成も収入・財力も様々です。
中には投資用物件として建てるためにとにかくローコストで、という人もいるかもしれませんが、少なくともご自身や家族の住むための家であれば、「とにかく安ければいい」なんて考えて家を建てる人はいないのではないでしょうか?
長くなりましたが、これまで感じてきた様々な違和感や問題点を踏まえて、弊社がこれから取り組もうとするのは安全性・健康性・快適性・高寿命・適正価格という、住まう方にとって最も重要な住宅の要素を満たした家造りです。これらの要素を常に追求しながら、高品質な“家”を多くの方にご提供し共に喜びを分かち合わせて頂けたなら、こんなに嬉しくやりがいのある仕事はないであろう!と思っています。
日本の家造りに携わる職人さん達の多くの方達は、物づくり大国日本が誇る職人さんですから腕が悪いはずがありません。これまでも実際に多くの職人さんたちを見てきて確信しています。
弊社が目指す家造りは、自然素材にとことんこだわり、化学物質の影響から解放される家、そして暑さや寒さを苦痛に感じない家、赤ちゃんからお年寄りまで住まうご家族全ての方に「この家が大好き!」と心底想って頂ける家です。そしてそんな想いが何十年も色褪せることなく続く家です。

なぜなら・・・お客様の喜びこそが弊社にとってのなによりの財産だからです。